眼科Q&A

Q

点眼、軟膏のつけ方の注意点は?

A

一回の点眼は、一滴で充分です。
というのは、人間の涙のたまるスペースはもともと0.03ml程度です。目薬1滴はだいたい0.05mlですから、これ以上点眼してもあふれて無駄になるだけですし、目のまわりの皮膚がかぶれる原因にもなります。
違う種類の点眼を同時に行う場合は、だいたい5分間あけます。続けてさすと、初めにさした目薬を洗い流すことになるから、注意してください。点眼薬と軟膏の場合は、先に点眼を行ってあとで軟膏をつけます。さもないと、点眼薬の入るスペースが軟膏で埋まってしまいます。軟膏が油性の場合はなおさらです。
点眼する時に気をつけてほしいのは、点眼容器の先や、先についたままの雫を直接目に触れさせないことです。必ず、目から離して点眼容器を持ち、そこから雫を落として目に滴下するようにしてください。点眼容器が目に接触すると、そこからバイ菌が容器の中に侵入し、バイ菌だらけの液をさすことになります。軟膏の場合も同じです。軟膏は清潔な綿棒などに少量取り、下まぶたをアッカンベーの状態にしてそこに乗せます。2~3回まばたきをすると、目全体に行き渡ります。

Q

正しいメガネ屋さんの選び方を教えてください。

A

 まず、メガネは必ずオーダーメイドで作りましょう。
緊急時に他人のメガネをちょっと借りることもあるかもしれませんが、常用するメガネは正確に目にあったものを使わなくてはいけません。メガネが合っていないと目の疲れ、肩こり、頭痛が起こることが多く、体に良くありません。
一般に眼科では、必要なレンズの度数と瞳孔間距離を処方箋に記入します。フレームの種類やレンズの種類を指定しません。それは眼鏡屋さんにまかせます。顔の形や大きさに合わせたフレーム選びも必要ですし、レンズの種類で厚みや重さが変わります。店によってはレンズの度数も瞳孔間距離も正確なものが作れない場合もありますが、合わないメガネを作ってしまうほど損なことはありませんから、やはり客の希望をよく聞いて、フレーム、レンズ、使い方まで適切にアドバイスしてくれるところで作りましょう。フレームのゆがみも気軽になおしてくれる、アフターケアのいいところがお勧めです。

Q

ドライアイってなに?

A

ドライアイとは、大切な涙が足りなくなってしまった状態です。
そうなると、涙のもつ3つの役割が果たせないわけですから、目の表面に障害が起こります。医学的には、そのような障害が起こった目をドライアイといっています。
このドライアイは、パソコン作業やクルマの運転といった目を酷使する作業を長時間行った後に一過性に生じることがあります。まばたきを普通の5回に1回くらいにしかしなくなるからです。また、涙の生産量が少なくなる全身の病気から生じることもあります。
目が疲れる、まぶたが重い、熱い、充血する、目がゴロゴロする、シュパシュパする‥。ドライアイの症状にはいろいろなものがあります。
疲れ目を訴える患者の60%がドライアイであった、という報告もあります。あなたの疲れ目もドライアイかもしれませんよ。なかなか乾きを自覚するのは難しく、目の乾きを訴えて来院する人は珍しいのです。ドライアイの人の約90%が、診断を受けるまで自分の目の乾きに気づかなかったと答えています。また、年を取ると涙の分泌・排出のバランスが崩れやすく、ドライアイをおこしやすいことも覚えておくといいでしょう。

Q

コンタクトレンズのUP TO DATE

A

いまだに、20年前のハードコンタクトレンズをそのまま使っている人はいませんか?
当時のレンズは酸素を透さないレンズで、そのぶん硬い材質を使用していました。だから長持ちするのです。しかし、最近では、そのようなレンズを長期使用のために酸素不足となり、黒目の一番内側の細胞(角膜内皮細胞)の数が減っているという報告がたくさん出ています。角膜内皮細胞は増えない細胞ですので、一度減ったらもう戻りません。ある限界を超えて減ってしまうと角膜が透明でなくなり、黒目は白濁してしまいます。
そんな恐ろしいことにならないうちに、酸素透過性のレンズに替えましょう。酸素透過性がよいかどうかはDK値で表現しますが、値が高ければ高い程良い、というわけではありません。高ければそれだけレンズが汚れやすく、壊れやすくなります。DK値は、夜もつけたままで使用する方法(連続装用)であれば、最低50単位以上必要で、夜にレンズを外す使い方(終日装用)であれば20単位以上あれば安全だという報告もあります。通常、夜ははずす使い方をしますから、30単位もあれば充分というわけです。酸素透過性のレンズは以前のものより毎日の手入れが必要ですが、手入れ方法も改良されてきていますのであまり面倒ではなくなりました。
まず、ソフトレンズはどうしても汚れがたまりやすいので、毎日の洗浄に加えて適時クリーニングに出すことをお勧めします。さもなければ、約1年半くらいで新しいものに取り換えること。また、今まで毎日煮沸する方法で消毒していたソフトレンズも、最近では熱を加えないコールド法という化学的に消毒する方法が主流になりつつあります。しかし、煮沸では殺せるアカントアメーバはコールド法では殺せません。注意が必要です。
使い方によっては危険になりうるレンズですが、安全に使用するためには、眼科の診察を定期的にうけ、もし、異常を感じたらすぐにはずして診察してもらうようにすること。そして、必要の無い時は使わないでいることです。
1週間使い捨てレンズなど、レンズ交換の時、中1日あけて「おやすみ日」を設けるのは大賛成です。また、レンズを使用している時はかなり目が乾きますので、人工涙液の点眼を頻回に行うことも心がけてください。
いずれのコンタクトレンズを使用する時も、必ずメガネを携帯することです。異常がある時だけでなく、コンタクトレンズを使用する必要の無い時はメガネを使用してください。痛みが出てからでは遅いのです。目が赤くなってきたり、夜、電灯の光がぼやけてきたら、角膜の酸素不足信号です。すぐに外しましょう。また、ソフトレンズはハードレンズより眼に酸素不足を起こしやすく、眼をいためやすいので、ハードレンズよりは装用時間を短くしてください。目の安全のためには、メガネに勝るコンタクトレンズはないのです。

Q

最近コンタクトレンズがつらいのですが。

A

今までコンタクトレンズを楽に使用していたのに急につらくなったとか、ゴロゴロするようになったということがある。
そんな時は眼科でよく検査をしてもらってください。コンタクトレンズが自分に合わなくなってきたということですから。
単にレンズのカーブが合わなくなったのかもしれませんし、あるいは、キズができているのかもしれません。少なくともソフトレンズは1年半、ハードレンズは2~3年ごとに新しくした方がよいのです。汚れの問題だけでなく、使っているうちにレンズの形が初めのフィッティングと変わってしまうのです。 その他、自分の目の状態が変わってきたのかもしれません。例えば、結膜炎がでてきたのかもしれませんし、ドライアイかもしれません。いずれの場合も眼科医の適切な診断のもとでの治療が必要です。治療が難しい時は、コンタクトレンズの使用を断念しなければなりません。

Q

コンタクトレンズの向く人・向かない人ってどんな人?

A
コンタクトレンズに向く人・向かない人
向く人 向かない人
強度近視、左右の度が違う人、不正乱視の人結膜や角膜に病気のある人
激しいスポーツをする人、メガネフレームが邪魔になる職業の人 細かい仕事や近くを見つづける仕事の人
眼科で定期検診を受けることのできる人 几帳面でない人(取り扱いを面倒に感じる人)
  定期検診のためや異常を感じたときにすぐに眼科を受信できない人
Q

コンタクトレンズのトラブルを防ぐために注意する点は?

A

以下の点を守りましょう。

レンズにあった取り扱い、管理をする
ハードレンズ、ソフトレンズなど、レンズの種類に適した方法で洗浄、細菌などの除去を行う。

異常を感じたら使用を中止する
装用したときはもちろん、はずした時に異常を感じた場合も使用を中止する。

自覚症状があったら眼科を受診する
目の痛みや異物感、充血、何かできているというときには使用を中止して、すぐに眼科へ。

定期的な検査を受ける
自覚症状がない障害もあるので、特に異常がなくても、定期的に検査を受ける。

Q

白内障とはどんな病気?

A

白内障とは、眼球の中にある水晶体がにごる病気です。

正常な眼球 白内障の眼球
目の前から入ってきた光は、角膜、水晶体を 通って網膜に像を結ぶ。水晶体は凸レンズ形の 透明な組織で、光をよく通す。水晶体が濁ってくると、光がよく通らなくなり、 網膜に鮮明な像を結べなくなる。その結果、 目のかすみや視力低下などの症状が表れる。
Q

目を手術するというと怖い気がしますが、痛くはないのでしょうか?

A

局所麻酔をしたあとに手術をするので、手術自体は痛くありません。
ただし、手術の最中は、目の手術を受けているという感覚はあります。
最近は、麻酔方法も進歩し、注射針で麻酔薬を注入する方法に代わり、点眼による麻酔を行う医療機関がほとんどです。点眼麻酔ならば麻酔時にも痛みはありません。また手術後に痛みを感じることはまずないので、安心して手術を受けてください。

Q

白内障の手術も、やはり早く受けた方が、よく治るものですか?

A

最近は、小切開手術(切開が小さく、術後乱視を小さくする)を行うため、白内障が進んでしまってからでは、この小さい切開の方法ではできなくなっていきます。
また、術後の炎症も、進んでしまった白内障よりも少なくてすみます。しかし、進んでしまっても、切開を大きくする方法であれば可能です。
ただし、白内障を放置しておくと、ほかに目の病気が起こってきたり、ほかの病気が悪化するような可能性がある場合は、すぐに手術を受けなければなりません。
白内障だけに関していえば、日常生活に支障が出てきたときが、手術の時期と考えてよいと思います。

Q

手術を受けると、どのくらい視力回復が期待できるのですか?

A

白内障の手術によって、どのくらいまで視力が回復するかは、患者さんの網膜の機能しだい、といえます。
網膜の黄斑部が障害されていなければ、手術によって白内障にかかる前と同じ視力に戻ることができます。ただし、網膜が変性していたり、緑内障を併発しているような場合は、網膜の状態や緑内障の病気の程度で、視力が決まってしまうこともあります。

Q

手術を受けた後、視力が回復するまでにどのくらいの期間がかかりますか?

A

手術後数日から数週間で、視力は回復してきます。
普通は、手術の翌日にはかなり見えるようになります。白内障の手術を受けた後、「世の中が明るくなった」と話す患者さんが大勢います。

Q

何歳頃まで手術できるものですか?手術できない人もいるのでしょうか?

A

高齢だから手術ができない、ということはまずありません。
百歳近い高齢者でも、よほど健康状態が悪くない限り、手術は受けられます。一方、手術を行わないのは、黄斑変性などがあって手術をしても視力回復が期待できない場合です。また、外傷によって、眼内レンズを支えるチン小帯が弱っていたりすると、手術が難しくなることがあります。
それ以外の場合は、ほかに病気があっても手術方法を工夫したり、手術の時期を検討すれば、手術は可能です。手術が全くできないというケースはあまりないと考えてよいでしょう。

Q

手術で一度、眼内レンズを入れたら、生涯そのまま使えるのですか?

A

眼内レンズの寿命は非常に長いので、生涯そのまま使えます。
いったん、手術で眼内レンズを入れたら取り換える必要はまずありません。

Q

眼内レンズが入れられないという場合もあるのでしょうか?

A

眼内レンズを入れられないというケースはほとんどありません。
逆に、水晶体を取り除いてしまうだけで、眼内レンズを入れる必要のないケースはあります。それは、もともと近視が非常に強い人の場合です。
普通、水晶体を取ってしまっただけの状態では、強い遠視になります。このため、もともと非常に強い近視があると、水晶体を取り除いただけで、丁度よく見えるようになる人もいるのです。

Q

以前、白内障の手術を受けて水晶体を取り除きました。眼鏡が不自由で困っていますが、今から眼内レンズを入れることはできますか?

A

水晶体を取り除いた目に、後から眼内レンズを入れることも可能です。
水晶体を全部取ってしまったか、水晶体の後面の膜(後嚢)とそれを支えているチン小帯が残してあるかどうか、過去に行った手術によって手術の方法は異なってきます。
もし、後嚢とチン小帯が残っているのなら、眼内レンズを入れるだけの手術ですみます。現在の白内障手術は、残した後嚢の中に眼内レンズを入れて、チン小帯で支えるのが一般的な方法です。
もし、後嚢とチン小帯を含む水晶体をすべて取ってしまってあるなら、眼内レンズを縫いつけて固定する特殊な手術を行うことになります。
ただし、前回の手術によって角膜の内皮細胞数が少なくなっている場合や、眼球の中が傷んでいるケースでは、眼内レンズを入れる再手術をしない方がよいこともあります。ですから、すべての人が再手術を受けたほうがよいとは限りません。

Q

手術後、目やにが出るようになりました。何か問題があったのでしょうか?

A

手術によって、目の表面を覆っている結膜などを切っているため、刺激症状が現れて、その結果目やにが出ることがあります。
傷口が治ってくれば、目やにも出なくなるはずです。

Q

手術後、両目のピントが合わなくなりました。医師には「左右の視力が違いすぎたため」と言われましたが、どうにもならないでしょうか?

A

左右の目の視力があまりにも違うと、眼鏡ではなかなか調節できません。
眼鏡の度数が左右で大きく違ってしまうと、像の大きさも左右で違ってくるからです。
この場合、度数調節が必要と思われます。眼内レンズを入れ替えたり、角膜のカーブを変える屈曲矯正手術を行うなどの方法で調節することができます。どの方法が適切かは、目の状態などを調べないと決められません。

Q

数年前に片方の目の白内障手術を受けた時は、手術後よく見えるようになりましたが、今度もう一方の目の手術を受けたら、あまり視力が出ません。

A

視力低下の原因が白内障だけならば白内障の手術をすれば、よく見えるようになります。
しかし、白内障のほかに黄斑変性など網膜に障害があったり、緑内障を併発していると、白内障の手術をしても、あまり視力が回復しないことがあります。両方の目が同じ状態であるとは限らないからです。ほかの病気があればその治療が必要かもしれません。眼科を受診して、原因を確認してください。

Q

手術の2ヶ月後に目がかすむようになり、「後嚢が濁った」と言われました。 これで失明したりしないでしょうか?

A

この場合、「後発白内障」が起こっていると考えられます。
後発白内障はレーザーで後嚢の濁りを取ればすぐに視力は回復します。このレーザー治療はごく安全なもので、失明の心配はありません。また、入院の必要もなく、外来で治療できます。
心配されずにレーザー治療を受けられたらよいと思います。

Q

網膜剥離とはどんな状態をいうのですか?

A

網膜剥離の前兆として、目の前に黒っぽいゴミのようなモノがちらつく『飛蚊症』が起こる事があります。
患者さんによって感じ方は多少異なりますが、はっきりしないもやもやしたモノが見えるという時には心配のない生理的な飛蚊症である事が少なくありません。網膜剥離の場合は「ゴミ」や「虫」などと具体的に形容できるほか、症状が急に現れるのが特徴です。また、暗いところや目をつぶった際に視野の端に光がピカピカして見える『光視症』を自覚する人もいます。
網膜剥離が起こると、視野が欠ける『視野欠損』が起こります。視野欠損は普通、視野の端から始まり、剥離が進むにつれて広がっていきます。たとえば網膜が上部から剥がれていくと、視野の下方から見えづらくなります。
網膜剥離が広がり、網膜の中心部分でものを見るのに重要な働きをする『黄斑部』にまで及ぶと、急激に視力は低下します。
障害のスピードや程度は個人差があり、急激な視野欠損や視力低下が起こるまで症状に気がつかない人も少なくありません。ただし、最初から黄斑部に円孔が生じて(黄斑円孔)網膜剥離が起こった場合には、早い時期から視力の低下が起こってきます。

Q

網膜剥離にはどんな人がなりやすいですか?

A

• 40歳以上の人
網膜剥離は、加齢が原因で起こる事が少なくありません。年をとると硝子体が変性して水分が分離していき、硝子体が縮む際に後部が網膜から剥がれる(これを後部硝子体剥離といいます)事が起こりやすくなるためです。網膜剥離のピークは、40~60歳代です。

• 強度の近視がある人
強度の近視があると、網膜剥離が起こりやすくなります。近視の人は一般に眼球の奥行きが大きく、その分だけ網膜が伸びて薄くなっているために破れやすくなっているのです。中でも20~30歳代の強度近視の人に多く見られます。

• 白内障の手術を受けた人
普通の人に比べて硝子体の変性が若干早くなるため後部硝子体剥離をおこしやすくなります。

Q

網膜剥離の診断方法は?

A

網膜剥離のほとんどは眼底検査によって診断がつきます。
散瞳薬を点眼して瞳孔を広げ、眼の底(眼球の向こう側)を調べます。この時、1個ないし複数個の裂孔があり、その周囲に剥離した網膜があると網膜剥離と確定されます。
ただし、網膜剥離がまだごく軽い段階にある時には、眼底検査を行っても見つからない事が稀にあります。ですから、大丈夫と診断されても症状が続く場合には検査をくり返し受ける事が必要です。

Q

網膜剥離の治療法は?

A

剥離した網膜は徐々に神経組織が傷んでしまうので、剥離が治っても視力回復が不十分な場合があります。
網膜剥離は早期発見が非常に重要なのです。
網膜剥離が見つかれば、速やかに網膜を元に戻す手術が必要です。網膜剥離になる可能性のある網膜裂孔の場合は、裂孔の程度や場所によっては様子を見る事がありますが、基本的には孔をふさぐ治療を施します。

Q

早期発見のためにはどうしたらいいのですか?

A

いつもと見え方が違うと気づいたらすぐに検査を受けましょう。
一昔前では、網膜剥離は失明の危険が高い、恐ろしい病気と考えられていました。ところが、治療技術が進歩した現在では95%の患者さんが視力も視野も回復し、以前と変わらぬ生活を送っています。しかし、発見が遅れればそれだけ治療も回復も困難になるのです。
特に、網膜剥離を経験した人は注意が必要です。5~10%の人は再発しているからです。もう片方の眼にも起こる確率が高いと言えます。こういう人は、毎朝白い壁を見て、左右の眼で見え方が違っていないかチェックする事をお勧めします。いつもと違う見え方をしたら、すぐ検査を受けて下さい。
40歳以上で強度の近視がある人も、年に1度は眼底検査を受けましょう。

Q

緑内障とはどんな病気ですか?

A

主に眼圧が高くなる事により、視神経がおかされて視野障害が起こる病気です。
中年以上に多くみられ、進行すると失明する事もあります。

Q

なぜ眼圧が高くなるのですか?

A

外界からの光は瞳孔から水晶体を通り、網膜で像を結ぶのですが、その働きを正常に保つために眼球に適度の『張り』が必要です。
その張りは眼球の内部の圧力により保たれています。これを『眼圧』と言います。眼圧を一定に保っているのは毛様体から分泌される『房水』と呼ばれる水です。この房水の産生と排出のバランスが保たれている事で眼圧も一定に保たれているのです。
この房水の通り道が詰まるなどすると、房水が貯まり、眼圧が上がるのです。眼圧が上がると、視神経も圧迫・障害され、視野が障害されるのです。
ただし、『正常眼圧緑内障』と呼ばれる、眼圧が正常範囲内でも起こる緑内障があります。これは日本では大変多くなっています。

Q

緑内障の検査にはどんな事をするのですか?

A

緑内障を発見するには、眼圧だけでなく、眼底と視野の検査を受けるのが重要です。

眼圧検査
眼圧を眼圧計で測定して、21mmHgを越える場合は「高眼圧症」と診断されます。眼圧が高いだけで緑内障になるとは限りませんが、緑内障を起こす危険性は高いと思われます。そのため、高眼圧症と診断されたら少なくとも年2回は眼圧検査と眼底検査を受ける事が大切です。

眼底検査
瞳孔から眼球の奥を見て、視神経の様子を調べる検査です。緑内障になると、視神経が萎縮し、視神経乳頭の陥没が見られます。

視野検査
緑内障の確定診断には欠かせない検査です。視野検査には、自動視野計を用いてコンピュータで光の感度を測定する「静的視野検査」と、ドーム状の装置を見つめて動く光が見えたら合図を送る「動的視野検査」の二つがあります。これで視野狭窄が見られた場合は、緑内障と診断されます。

Q

緑内障と言われましたが、自分ではよく見えるので、放っておいても良いでしょうか?

A

緑内障は、ほとんどは自覚症状のないままに徐々に進行していきます。
一度障害された視神経は、元に戻す事はできないので、定期的な検査で早く見つけて治療する事が大切です。

Q

緑内障に対しどのような治療法があるのですか。

A

緑内障の治療というと、欠けてしまった視野を取り戻すかのように思われるかもしれませんが、視神経の障害による視野狭窄は回復する事ができません。
しかし、眼圧をコントロールする事で、障害をそれ以上進行させないようにする事ができます。
治療法には、薬物療法で眼圧を下げ、レーザー治療や外科的手術によって房水の流れを良くするようにします。
外科的手術にはMIGS(低侵襲ロトミー)や白内障と同時のiStent(ドレーン挿入)などもあります。

 

Q

目を強く打ってしまいました。どんな処置をすればいいのですか?

A

目を打ったときの対処のポイント

応急手当て
目を打ったときは、とりあえず、目をよく冷やす。

こんなときは眼科へ
しばらくしても、目がかすんだり、見え方がおかしいときは、眼科へ。

Q

日常生活においてどのような事に気をつけたら良いですか。

A

成人病検診などの眼底検査では、視神経の異常まではなかなか見つからないので、緑内障を早期に発見するには、やはり眼科での検査が欠かせません。
緑内障の危険因子がある人は、眼圧に異常がなくても定期的な眼科の検査が必要であると考えています。
緑内障の患者さんは、医師の指示に従って、きちんと治療を続ける事が大切です。また、日常生活では煙草やストレスなど、神経障害因子となるものはなるべく避け、適度な運動を心がけましょう。
緑内障は治る病気ではありませんが、治療で十分にコントロールできる病気です。

祐森クリニック 内科・消化器内科・アレルギー科 AM9:00-12:00 / PM4:30-7:00 眼科 AM9:00-12:00 / PM2:00-3:00 / PM5:00-7:00
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